XRPとRippleNetの仕組みをやさしく解説|ビットコインとは何が違う?

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リップルとは?

リップル(Ripple)は、かつて「OpenCoin」と呼ばれていたアメリカの非公開企業で、国際送金をより速く・安くすることを目指しています。そのために「RippleNet」という決済ネットワークを構築しており、「XRP Ledger(エックスアールピー・レジャー)」という分散型台帳の上に成り立っています。

リップルの目的

銀行・決済業者・仮想通貨取引所などをつなぎ、送金にかかる時間とコストを大幅に削減することがリップルのゴールです。たとえば、いま日本からアメリカへ送金すると、手数料が高く着金まで数日かかることもありますが、RippleNetを使うと数秒で完了する可能性があります。

リップルの歴史

リップルの原型は2004年、ライアン・フッガー氏が考案した「RipplePay」というシステムにさかのぼります。当初は個人間での安全な送金手段として設計され、2005年に公開されました。

その後、2012年にプロジェクトはJed McCaleb氏とChris Larsen氏に引き継がれ、「OpenCoin」という会社を設立。その後「Ripple Labs」に改名し、現在は「Ripple」という名前で知られています。

XRP Ledger(XRPL)について

XRP Ledger(エックスアールピー・レジャー、略してXRPL)は、Ripple社が開発を支援したオープンソースの分散型台帳です。これは、参加者全員が取引内容を共有・検証する仕組みで、リアルタイムで通貨の送受信が可能です。

特徴

  • ビットコインとは違い、マイニング不要(環境にやさしい)
  • Ripple独自の「コンセンサス・アルゴリズム」によって、取引を高速で安全に承認
  • 誰でもノード(検証者)としてネットワークに参加可能
  • 信頼できるノードをまとめた「UNL(ユニーク・ノード・リスト)」で効率化

つまり、XRPLは世界中の通貨をリアルタイムで交換できる分散型経済インフラのようなものです。

RippleNetと3つの製品

RippleNetは、Ripple社が構築する送金ネットワークで、以下の3つの製品があります。

1. xRapid(現在は「オンデマンド流動性(ODL)」と呼ばれる)

XRPを「橋渡し通貨」として使い、法定通貨同士を高速に交換する仕組みです。

オーストラリアのボブさんが、インドのアリスさんに100ドルを送金したいとします。
通常は高額な手数料がかかり、数日かかるところを、xRapidを使えば

  1. オーストラリアのドルをXRPに変換
  2. XRPをインドに送信(数秒)
  3. XRPをインドルピーに変換
  4. アリスさんがすぐに受け取れる

このように「中継通貨」としてXRPを使うことで、両替と送金を一瞬で完了させることが可能です。

2. xCurrent

こちらは銀行間での即時決済と追跡機能に特化したシステムです。xRapidと違ってXRPを使いません。

xCurrentは、「ILP(Interledger Protocol)」という仕組みで複数の台帳をつなぎ、通貨の種類を問わずスムーズにやりとりできるようにしています。

主な構成

  • Messenger:銀行間で手数料・為替レートなどの情報をやりとり
  • Validator:取引の正しさを確認
  • ILP Ledger:やりとりを記録するサブ台帳
  • FX Ticker:為替レートを常に監視

たとえば、日本のメガバンクがアメリカの銀行と瞬時に資金移動できるようにする技術です。

3. xVia

xViaは銀行や送金業者がRippleNetに簡単に接続できるようにするAPI(インターフェース)です。

  • 請求書の添付
  • 取引メモの追加
  • パートナー銀行経由の支払い

などを簡単に行えるようになり、複雑な国際送金業務を効率化できます。

まとめ

リップルは「送金のインターネット」を目指しており、特に銀行間の国際送金の高速化と低コスト化に取り組んでいます。XRPはその中核となる通貨であり、RippleNet上の製品と連携することで、世界中の金融機関がよりスマートな送金を実現できます。

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